秋田ぐらし

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レザー アスラン著「イエス・キリストは実在したのか?」

   

ナザレのイエス

ほとんど宗教と無縁の生活を送っている平均的な日本人と自認していますが、イエスキリストには興味があります。正確には、歴史的におそらく実在したであろう「ナザレのイエス」という人間にたいする興味ですね。

何年か前に流行ったダン・ブラウンの「天使と悪魔」なんかも面白く読みました。

さて、その興味は、おそらくロック・オペラ(あえてミュージカルとは呼ばない)「ジーザス・クライスト=スーパースター」のファンであることによるところが大きいような気がします。主人公はジーザス(イエス)というより、ジーザスを裏切るイスカリオテのユダ。このユダが後半、実にロックにイエスに対する歌を歌ったりかっこいいんですよね。あと見所は、ヘロデ王とジーザスの会話のシークエンスですかね。

ただ、どうしてもジーザスの破滅的・自殺的な行動がよく理解できない(というのがこのロック・オペラの主題でもあるわけですが)というわけで、宗教人でない者としては、歴史的なナザレのイエスの行動を解き明かしたいと思ってしまうわけです。

レザー アスランの「イエス・キリストは実在したのか?」

さて、このレザー アスランの「イエス・キリストは実在したのか?」という本は、そのナザレのイエスの行動を、当時のイスラエルの歴史的背景も検証しながら解き明かすものです。

ナザレのイエスは、当時のイスラエルのトレンドに沿って行動していたのだと当方は読みました。メシア(救世主というよりイスラエルの王)が現れるという考え方ですね。実に沢山の自称メシアが当時のローマ支配下のイスラエルには現れているのです。そして、当然の帰結としてローマに反抗する者としての一般的な刑であった十字架刑にかけられたと。イエスと同時に十字架刑にかけられた者も従来思われていた「泥棒」ではなく、「反逆者」(レーステース)としてローマに反逆したから十字架にかけられたというのは新たな発見でした。

最後の方は、なぜユダヤ教の枠内で行動していたナザレのイエスが説いた教えが、世界宗教になっていったかということを解き明かしています。学術書的な体裁で、後半1/4ぐらいは注釈。決して読みやすい本ではありませんが、ナザレのイエスに興味を持つ者とっては必読の書ではないかと思います。

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